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朝ピクニックという、ちいさな旅。
2026.03.305 分で読めるby 晩婚夫婦

日曜日の朝、七時に家を出た。
おにぎり三つ、水筒に麦茶、娘のリュックにお気に入りのタオル。目的地は徒歩五分の公園。
ピクニックといえば昼の印象があるけれど、朝のほうが断然いい。
人が少ない。空気がきれい。太陽が低い角度から差し込んで、葉の影が長く伸びる。そして何より、一日がまだ真っさらな感じがする。
朝ピクニックを思いついたのは娘の一言だった。「公園でごはん食べたい」。それだけのことで、日曜の朝が特別な時間になった。
「非日常」は、遠くに行かなくても作れる。視点を少し変えるだけで、知っている場所が旅先になる。
梅干し、鮭、昆布。定番しか作らない。移住先でも、この三種類の材料だけは確保したいと思っている。梅干しはともかく、鮭と昆布はどこでも手に入るはずだ。
食べながら「向こうの公園でもこれやろうね」と話した。娘は「うん、でもおにぎり大きいやつがいい」と言った。
公園には三十分しかいなかった。それでも帰り道、娘は「楽しかった」と言った。夫も「これいいね」と言った。
旅は、時間や距離ではないのかもしれない。