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物を減らすことは、未来をひらくことだった。
2026.03.246 分で読めるby 晩婚夫婦

移住を決めてから、部屋を見る目が変わった。
「これ、向こうに持っていく?」という問いで、すべての物を見るようになった。本棚の本、引き出しの中のケーブル類、押し入れの奥に眠っている結婚式のアルバム。
最初は、物を手放すことへの抵抗が強かった。
「いつか使うかも」「思い出があるから」「高かったから」。そういう理由で、何年も使っていない物をずっと持ち続けていた。
でも、引っ越しという締め切りができると、判断が変わった。使っていないなら、必要としている誰かに渡した方がいい。
物を手放すのは、過去を捨てることではなかった。未来を選ぶことだった。
試行錯誤の末、「向こうでも使うか」「デジタル化できるか」「心が動くか」の三つを基準にした。
心が動くかどうか、というのが案外大事だった。論理的に「必要ない」と判断できても、手に取ると懐かしさで動けなくなる物がある。そういう物は、時間をおいてもう一度判断する。
いちばん難しかったのは、娘のおもちゃだ。
本人に「持っていくもの、選んで」と言ったら、全部選んだ。「ぜんぶ大事なの」と言われると、何も言えない。少しずつ話し合いながら、一箱に収まるくらいまで減らしていく予定だ。
三分の一ほど物が減ったいま、部屋が明らかに広く感じる。朝、空間があることへの安心感がある。
物が少ない方が、頭も整理される気がする。これは移住後も続けていきたい習慣だ。